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日々の出来事だとかなんとか・・・創作だとか -2007/6/7



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この咆哮も波長となり
いつか減衰して消えるのであれば
怒れる針先よ
おまえは塔となり、星となり歌え
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成層圏を越えた先でエーテルを揺らしながら泳ぎコンマ〇〇七秒で燃え尽きる青色の魚になりたかったって
夢物語よねって言えばそんなこと分かってるって答えたっけ

幅数万光年の長さ数億光年の青色の魚群が常にきっかり三割ずつ今際の際に銀色の腹を見せてちらちら踊りどうしようもなく刹那に生きて何を考えているのかは人間の理解の埒外の事象の地平線の先の先の先の先
その中で増えに増えて増え同族を食い散らすことに何の疑いもなくぶつかる星もすべて食い散らかしていくんだって
荒研ぎした指輪を強酸のボルドーグラスに投げたみたいにもうぐずぐずのぐだぐだに解かしていって
ただ蒼い蒼い屍の帯を引いてきらきら光りながら死んでくってさ
そのうちの一匹になりたかったんだって
もう何もかも一切合財終わっても空にあれを描くならそれはそれで悪くないって
そういって笑ったっきり二度と戻ってこなかったっけだいたい三百年くらい前
さかなになりにいくってそれだけ連絡したところで貴方は鼠でもなんでもないしそこに魚を見ていたのは貴方だけだって
私にはあるいは大多数の人間には「星影に見える」それを見上げて大体よしとした
多分二度と会わないことも分かりきっていたし大体信用のならないことだらけの世の中で無根拠に何かを信じるならば彼の無害なそんな嘘を信じてもいいなと
そうおもって何の宗教もないこの世界で人生のおかわりに飽きたころ思い出しては星空に願いをかけた
よければ貴方私もそこで腹を見せてしんでもいいかしら
その気は無くても上手くやれないことは沢山あるけど、
上手くやれないという理由で放り出せることはそう沢山あるわけじゃない。

もう少し賢く生きていきたいけど、そういう風に育つことが出来なかった。

多分一番母親に謝らなければいけないことは、
期待を裏切り続けてごめんなさいとか、
そういった手合いの、俺にはどうにも出来なかったこと。
吟遊は一人さまよいあるくばかりだった。

腕のなかには金属パイプを複雑に折り曲げた楽器が一つあるきりで、
それのために水を少し含ませた綿を与えるほかには何の持ち物もない。


ト音記号、という記号がある。
それの曲線を極端に誇張したようなパイプには、
ところどころに一ミリほどしかない無数の蟲が詰まっている。
それの羽音か何かがぶんぶんと共鳴して、独特の音色を奏でるのだ。

グラスハーモニカが一番近い音色だろうか。

吟遊はそれにあわせてスキャットを歌うばかりで、
全くなんの伝承も歌うことはない。
故に彼は「吟遊」であり、詩人ではなかった。

言葉に悲しみを託したがゆえ、
その重みに天秤棒が折れるようにその言葉を失ったのだ。
海の水を秤にかけるようなものだ。
吟遊になるものの悲しみは汲んで尽きることがない。
なぜなら彼らは大いなる胸のうちにすべてを湛えているからだ。

みな吟遊はそういう生き物と決まっている。
そう、この男は間違いなく吟遊なのだ。
皆一様に悲しい犬のような顔をして人の為に歌い続けるが、
報われることなどひとつもないのだ。なぜなら彼らが吟遊であるから。


砂漠を歌いながらゆっくりと進むたびその楽器が金色の砂の上に緩やかに音紋を描き、
そうして風が吹くたび鮮やかな風紋にかき消される。
そうしてあとにはなにものこらない。

つまり、吟遊というものは、そういう生き物なのである。
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